製麹.3
前回までに、麹造り(製麹)の二日目の作業と箱麹の製麹方法についてご説明してまいりました、今回は前回種類の羅列だけにとどめたその他の製麹方法について詳しくご説明します
製麴の種類
蓋麹
大き目の長方形の重箱様の形状で、標準的には1.5kgの麹を盛る「箱麹」の小型版のイメージ
「蓋麹」の方が歴史があり(昔から製麹は蓋麹で行われてきた)積み替え作業の頻度の高さや、温度管理や積み替えなどの夜間作業の簡略化のために、箱麹方が開発されました
酸素無しでは生きていけない麹菌の為に、適正な大きさの空気穴があり、数段積み重ねて使用します、まめな温度管理と積み替え作業が要り夜間作業が必要となる
床麹
箱製麹のさらなる作業性向上を考え、大型化したもので、床製麹とも言う
半自動製麹機
床製麹に送風ファンが搭載されたもので、麹の品温が生育限界に近づくと自動で送風して温度を下げるもの、温度管理を自動で行ってくれるので、夜間の手入れ作業がほぼ軽減できる
全自動製麹機
円形やゆりかご型の大掛かりな製麹機で、床から盛り、手入れから出麹迄全て全自動でできる製麹機
たらい
高知県や愛媛県でよく見られる製麹方法
箱麹の容器をたらいにしたもので、四国の税務署の酒造の指導を行っている先生が、たらいで造ると良い事を見つけ指導した事によるらしい
製麴三日目
出麹(麹を麹室から出す作業)
出麹判定:出麹のタイミングを判定する事
- 麹の甘みと、ハゼ込み具合いを確認し、必要な酵素が目標通り得られたと思ったら出麹をする、現在は、ライトボードとルーペで麹菌の形態変化・毛の多さ・毛先の球の密度などの外観で判定する
- 普通酒は出麹が早く通常朝に行い麹菌の毛も少ない、吟醸酒は出麹が遅く麹に毛先の球体が高密度で見られる、だが胞子をつけるようだと出麹タイミングとしては遅い
- 別の方法として、麹箱に白色光を当て箱麹の縁の部分が黄色を帯びてきたら出麹と言う判定方法もある
- 出麹時は麹を布の上に薄く広げて熱や湿気を逃がす、麹の塊があれば内部の湿気が逃げないので出来る限り崩す
出麹乾燥:麹の乾燥を進める事
麹の枯らし:麹を一日程放置する事
出使い:その日のうちに醪へ投入する事
+麹菌の生育もベストタイミングで止められるので、胞子をつけたような老ねた麹とならないので、目標通りの香味を造れる麹となる
※こちらもご覧ください!動画でご説明しております!
★酒chいし井講座第11回 製麹方法の種類・麹の完成 製麹③【酒chいし井のSAKE DIPLOMA的日本酒講座】