■日本酒基礎講座(22)「酒母.3(速醸酒母の育成工程.1)」

酒母.3

今回は、現在の酒造業界において主流となっている速醸酒母の育成工程の1~2日目についてご説明いたします

 

速醸酒母の育成工程1日目

水麹

  • 約2週間で完成する速醸酒母の一日目の最初の工程は、「水麹」と言って、まず、麹の酵素をあらかじめ水中に溶出させるため、汲水に蒸米を投入(仕込み)する前に、汲水に「乳酸」・「清酒酵母」・「麹」を投入して、混ぜ合わせる 
  • 仕込みの1~2時間前に行う・乳酸と清酒酵母を最初に添加するのは、酵母は休眠による誘導期があることを考慮し、野生酵母が清酒酵母よりも先に活動する隙を与えない為である 
  • 水麹により、麹の酵素の溶出が促進される 
  • 清酒酵母は、日本醸造協会が発売している、アンプル入りのきょうかい酵母や自家培養酵母を使用する 

  • きょうかい酵母の場合、100kgの酒母に対して、アンプルが1本以上必要である

 

▶100kgの酒母で仕込める醪の総量:

  1. 純米酒の場合 酒母歩合7%⇒ 醪総量1428kg(約1.5t仕込み)
  2. 吟醸酒母の場合 酒母歩合5% ⇒醪総量2000kg(2t仕込み)

 

  • アンプル1本の中には、200億個位の清酒酵母が存在する

  • 殺菌工程のない速醸酒母が安全に造れるポイントはここにある(数による圧倒)

(次に出てくる、高温糖化酒母は最初に55℃で殺菌・糖化促進を行う為、温度管理をしっかりできれば安全性も担保できる)

 

 

仕込み

水麹したものに蒸米を適度に放冷して投入混和し、予定温度にする操作を「仕込み」という

 

汲みかけ

  • 酒母を仕込んでから、3~4時間すると、蒸米は吸水して表面はリゾットのように、こんもり膨れてくるので、その中央に穴を掘って底の無い円筒を埋め、円筒内に深井戸のように溜まる液(麹の酵素が溶けている液)を柄杓で酒母の表面の蒸米にふりかけ、蒸米を潰すことなく糖化を促進する方法を「汲みかけ法」という 
  • また、汲みかけ法により、固形物主体で流動性が無く、熱伝導率も悪く、ムラが多い酒母の液体を循環させる事により、酒母の品温低下が早まり、温度が均一に近づく 
  • 汲みかけ法を繰り返すことにより、当初白濁していた液も次第に透明になる 
  • 通常一昼夜以内でもはや液が吸い込まれなくなり、蒸米の上に液が溜まってきたら終了し、汲みかけ用の円筒を抜いて、物量を軽く攪拌する

 

この汲みかけ作業を、自動で行う自動汲みかけ機が多く用いられている

 

 

速醸酒母の育成工程2日目

打瀬

  • 酒母室の室温が4~5℃の場合、仕込みの翌日の酒母の品温は7~8℃となっている。この温度は、酵母の増殖限界温度かそれ以下である 
  • 加えて、醪の仕込み時に比べても、酵母密度がかなり小さい 
  • 「打瀬」とは、汲みかけ終了後から、酒母の品温を下げ、はじめて暖気を入れて加温操作をするまでの低温に保つ期間をいう 
  • 打瀬の意義は二つある 

    ①  仕込み初日に、蒸米の溶解がかなり進み、栄養と水分に富んだ状態となる為、酒母の品温を下げ、雑菌が生える危険を避ける②  速醸酒母の前半を糖化に徹するために、出来るだけ早く品温を10℃以下に降下させることで、酵母の増殖を抑える

 

※こちらもご覧ください!動画でご説明しております!

★酒chいし井講座第14回 速醸酒母の育成工程(1) 酒母③【酒chいし井のSAKE DIPLOMA的日本酒講座】

 

 

 

 

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