精米<2>
今回は、前回に続いて精米について
- どのような形にお米を磨くか<精米形状>
- 精米後の作業<枯らし>
- 精米で出る<糠>
について、ご説明します
精米形状
(1)球形精米(普通精米)
まず最初は、一般的な精米形状となる、球形精米・又の名を普通精米です
球形精米は、文字通りお米が球形になる精米方法
これは、精米時間の短縮と低摩擦を追及すると、お米への圧力を弱くすることになり、押さえつけのきかない米は乱回転し、長い方の両端から削られていき、結果的に球形に精米されます
球形精米では、厚み(奥行)部分では精米不足で不要成分が残り、縦方向には削りすぎになり、有用な成分迄削られてしまう事になり、精米不足な部分もありつつ、削りすぎの部分もある、精米方法としては不完全な、精米時間の短縮を第一義とした精米方法です
球形精米=普通精米は、昔からの精米方法で、不完全ではあるが一番普及した一般的な精米方法である
(2)原形精米
原形精米とは、精米機内の圧力を高める事により、お米の乱回転を抑制し、米の原形と同じ形で精米する方法
不要成分であるたんぱく質除去は球形精米よりは良いが、厚みの部分で精米が足りず、不要成分が残る懸念を残す精米方法である
(3)扁平精米
最後は扁平精米で、どの部分も米の表面から等しい厚さに削り取る精米方法
扁平精米により、お米は薄くペラペラな形状になり、たんぱく質除去の観点では、非常に好ましい数値を得られる精米方法になる
ただ、良い点ばかりと言う訳でなく、いくつかの問題点もあり、精米時間が原形精米の3倍の時間がかかる ⇒ よりお米が乾燥 ⇒ 砕米の発生率が高くなる&洗米・浸漬時に割れやすくなる&浸漬時間の管理がより難しくなる、と言った問題があります
また、精米時間の長時間化により・製造計画への影響が出る・電気代がかかる、など考慮しなければいけない点があります
加えて、70%程度の精米歩合だと、長さ方向の精米が不十分で胚芽の残存率が高くなってしまう問題点も併せ持つ
②精米後の枯らし
精米後の米は、精米機内で高温にさらされ乾燥しているので、最低でも2週間ほど袋に入れて保管し、水分を戻してやる必要があります
これを「精米後の枯らし」と言う
精米直後の白米は、精米中高温にさらされたことにより、極度に乾燥しており、そのままの状態で次の工程の「洗米・浸漬」に移ると、水に漬けた時点で、乾燥した白米は急激に水を吸い、割れてしまう
白米が割れてしまうと、その後の工程である「製麹(麹つくり)」で良い麹が造れないだけでなく、醪でも良い溶け方をいないので、水を吸ったときに割れないように、ある程度水分を戻してやる必要がある
その為、精米後の白米を袋に入れ、2週間ほど水分を戻すために、静置する=精米後の枯らし、を行う必要がある
③精米時に出る「糠」
精米時に、削り取られた粉の事を「糠」と言い、通常色で判断されます
・糠の分類
- 一番外側の色の濃い部分が「赤糠」
- その内側の少し白くなった部分が「中糠」
- さらに内側の綺麗な白色になった部分が「白」
- 大吟醸相当の精米時に出る一番内側の部分が「特白」
と言います
(1)赤糠・(2)中糠は、完全に糠なので、農業用肥料や鶏などの餌、糠漬けの原料などに用いられます
(3)白・(4)特白は、優良な米粉なので、せんべい・あられ・団子等の米菓の原料や、米麺・米パン等の原料として用いられます
以上、精米の形状と、精米後の枯らし、精米時に出る糠のご説明でした
※こちらもご覧ください!動画でご説明しております!
★酒chいし井講座第三回 精米の形状・枯らし・糠 精米②【酒chいし井のSAKE DIPLOMA的日本酒講座】