今回は、日本酒の製造における次の工程、洗米と浸漬についてご説明します
洗米
まず、洗米の目的は、白米の表面に付着している糠を取り去る事で、洗米方法としては、従来型の洗濯機のような水流に米を入れて洗う方法から、最近の進歩した洗米方法となる、ジェット方式や、バブル方式、超音波方式で洗う洗米機が登場しています (最近多く酒蔵が導入している「ウッドソン」はジェット水流で洗う洗米機です)
[従来型洗米機]
[洗米機]
[ウッドソン]
吸水・浸漬
ここで、注意が必要なのが、洗米開始時から白米の吸水が始まる事
酒造りの現場では、白米吸水率と呼ばれる指標を用いる
次の工程の蒸きょうでも水分が増加するが、増加量はほぼ一定です
洗米・浸漬時での水分吸水率を目標通りに合わせる事が、酒造りの最も大事なポイント=白米吸水率が高すぎると水分過多で柔らかい蒸米になり、麹造りが失敗する原因になります
また洗米する白米が乾いているほど、給水過多になりやすいので、注意が必要!
精米の所で説明した通り、吟醸用の高精米した白米は長時間精米されている関係で非常に乾いており、吸水速度が大きくなる⇒短時間で一気に水を吸ってしまう、ので水に漬ける時間を正確に管理する必要がある⇒「限定吸水」と呼ばれる作業を行います
この場合の「限定」とは、浸漬時間の限定を意味する
限定吸水する理由
- 吟醸用の白米は普通酒用の白米に比べて、かなり乾いており、洗米を始めた途端、急速に吸水を始め、10分程で水切り作業に移行しなければならない
- 吟醸用の白米は大変もろいため、可能であれば手洗いが望ましい
の2つになります
実際の限定吸水は10kg程度ずつに計り分けられた白米を2分おきに順番に洗米していく作業を繰り返し行う
洗米後は、浸漬用の半切りで浸漬を行い、浸漬終了時間(10分程度)で水から上げる作業を繰り返し行う
最近は、吸水率を目標値に近づけるために、水から上げた浸漬米を真空吸引し、余分な水分を取り去る工夫をしている酒蔵が増えています
酒造りは、1麹、2酛、3造り と言われ⇒1番大事な良い麹を作るために吸水率をしっかりと管理した、洗米・浸漬作業、が重要になって来ます
※こちらもご覧ください!動画でご説明しております!
★酒chいし井講座第四回 洗米・浸漬・限定吸水【酒chいし井のSAKE DIPLOMA的日本酒講座】