放冷
今回は、前回蒸したお米を冷ます工程「放冷」についてご説明します
蒸米は、そのまま仕込みに使用される掛米と、製麹に使用される麹米に大きく分けられる
蒸米の冷却目標温度は
製麹に使用される蒸米が最も高く(36℃強)
次いで酒母の仕込み(速醸18~20℃)
初添(12℃・スッポン仕込み15℃)
仲添え(9~10℃)
留添え(8~9℃)
と段々温度が低くなります
蒸米の冷却には、「1.自然冷却法」と「2.強制冷却法」がある
1.自然冷却法
1.自然冷却法は、吟醸造りで見られる人手による冷却方法です
人手を介する分手間がかかりますが、作業する人が蒸米の温度と硬さ・湿り気など確認しながら作業できるため、高級酒で行われる冷却方法になります
写真にある通り、多くの人手により蒸しあがったお米を手分けして、目標温度まで冷却していきます
2.強制冷却法
2.強制冷却法は、連続蒸米冷却機(連続蒸米放冷機 ・通称 放冷機)を用いる方法です
連続蒸米冷却機では、ホッパー部分から投入した蒸米が、金網のコンベアに載って移動する速度を調節する事で、出口での蒸米品温を目標温度に近づけるように、冷却していきます
蒸米は、金網コンベアで移動中に強制送風により冷却されます
クラッシャーは十字の回転する金属棒の事をいい、見た目以上に危険であるから決して手を近づけないように注意が必要です
放冷機は初めに金網コンベアの移動速度を早くして運転すると、通風冷却時間が短くなるため熱い蒸米のまま麹室へと運ばれ、次いで金網コンベアの速度を適度に下げ、酒母やそれぞれの仕込みで使用する目標温度に合った蒸米を得るようにします
放冷による蒸し米温度は、外気の温度に大きく依存します、これが酒造りが冬を中心に行われる理由の一つです、放冷機に送られる空気の温度・湿度をコントロールする酒蔵もあります
普通酒・本醸造酒は特にそうですが、放冷機で冷やされた蒸米は直径が20cm程あるエアーシューターを用いて醪や麹室へエアーに乗って運ばれることが多い
そうでない場合は、特にこだわりの酒蔵は、手作業(人海戦術)で運ぶ所もあります
※こちらもご覧ください!動画でご説明しております!
★酒chいし井講座第六回 放冷(蒸米の冷却)【酒chいし井のSAKE DIPLOMA的日本酒講座】